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お腹と心が満たされていれば・・・

現代に生きる賢人に学ぶ

心身満たされれば

 


人は食べんことにはイライラが募って
悪い方に向かってしまし、
逆におなか一杯になれば
悪いことは考えない。

おいしいものを食べて
おなかが満たされたら、

心まで満たされて
幸せな気分になるんよ。

出典元
月刊致知 2017年5月号 P.44
「人間の孫のやさしさとは
見返りを求めない心」
中本忠子氏の言葉 より

解説 この言葉からおそわるもの

 

 

「腹が減っては戦が出来ぬ」

30年、40年位前までは、
こんな言葉がいざという時に
使われていたものです。

 

腹が減っては、力も出ないし、
無駄にイラつくし、
やる気もそがれるものです。

 

心も同じで、
適度に満たされていない
飢餓状態でいると、
世間を妬んだり、
人を恨んだりしてしまう事があります。

 

この様な精神状態で、
悪い方向に突き進むと
良くない考えを思いついたり、
犯罪に繋がったりします。

 

その逆で、
おなかも心も満たされると、
腹も立たず、
イラつくことも無く、
やる気が出てきて、
気力も湧いてきます。

 

お腹がすいているけど、
食べるものがないとか
お金が無くて、
食べられないなどの状況に置かれ、
行政に相談しても見捨てられて
餓死される方もいます。

 

また、それ以外には万引きや
無銭飲食をする人もいます。

 

この様な軽微と思われる犯罪行為でも
繰り返して行うと、罪悪感が徐々に
欠落していき少しづつ、
犯罪行為がエスカレートしていきます。

 

最初は万引きや
無銭飲食だったものが、
置き引きや
乗り物盗をするようになり、
やがて人の家に侵入する窃盗や
強盗を繰り返していくようになります。

 

最悪な事は強盗した挙句
けがを負わせたり、
殺人に発展していく場合も
あります。

 

空腹を満たしたいだけの
欲求がやがて悪質な犯罪行為が
エスカレートしていくことを
最初の段階で止められれば、
人並みの生活を送ることが
出来るかもしれないと
考えるととても残念な気持ちに
なります。

 

最近の日本人はいかにも正義を振りかざす

 

 

最近特に感じる事の一つが、
問題行動を起こした人を
インターネットを利用して、
「いかにも正義」を振りかざし、
当事者を追い詰める事です。

 

その追い詰め方は、
単なる間違った
思い込みによるものが多く、
攻撃対象とされた方は
深い心の傷を負ってしまいます。

 

そのやり取りを俯瞰していると、
「いかにも正義」
振りかざす人の心の貧しさが
見えてくる気がします。

 

そして、そのような人は心が
満たされていないために
イライラが募り、
誰かを攻撃して
正義感ぶりたいのだろうかと
疑ってしまいます。

 

心が満たされ、
感謝の言葉が息を吸うように
口から自然に出てくる人は、
そのようなことはしないものです。

 

そう考えると、
現代の日本人の何割かは
お腹も心も十分に
満たされていないんだろうなと
感じてしまいます。

 

50年、60年前の日本人と
現代の日本人を比較すると
今生きている日本人の心が
すさんでいるように思えるのは
老人となった私だけなのでしょうか?

少なくても、昔の日本人は
全く見ず知らずの人を
自殺するまで追い込むことは
しなかったものです。

現代人は、
インターネットを使い、
自分の名前を名乗らず、
口汚く無神経に
相手をなじり倒し、
徹底的に追い詰めています。

果たしてそれは、
人として許される事でしょうか?

 

不確かな情報を曲解して受け止め、
正義の名のもとに
人を苦しめる現代のやり方が、
社会や世間の
安寧をもたらすものではないはずです。

 

どうかこれを読まれた方々に
お願いすることは、
悪戯に不確かな情報に踊らされず、
冷静に判断してもらいたいと
願っています。

 

お腹が満たされ、
心に余裕ができている人は
無神経に人を
いたぶることはしないはずです。

 

心を満たし、
幸せな気持ちを抱かれ、
「人の和」を今一度考え、
慈悲ある言葉を
掛けて頂くことを
切に願うばかりです。

思考家 明徳義道 記す

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