大和の時代より言葉を大事にした
日本人が古来、
大切にしてきたのが言霊である。先人の心に思いを馳せ、
現代に生きる私たちも今一度、
言霊の幸わう国に生を受けた意義を
考える時ではなかろうか出典元
月刊致知」 2017年5月号 巻頭言 P.5より
解説・この言葉から思い至ること
「日本語」を考えてみると、実はとても多くの表現を持った
民族語であることに思いが至ります。
それは、日常生活で使用率の高い必須語彙数を
英語や他の外国語と比較すると判ります。
英語だと必須語彙数は約2700ほど、
フランス語で1200くらい、
ヨーロッパでは、1000語ほど覚えておけば、
日常生活は事足りるそうです。
それに比べて日本語はどうでしょうか?
その数は、7000語から10000語ほどあれば、
生活に困らないのです。
(数は研究者により違います)
これだけ多いと、外国から見れば、
日本語は難しいと思われるのは当然かもしれません。
日本の新聞を読み理解するには、
更に1.5倍の言葉を理解しなければならないそうです。
悪いことに、昭和の終わりころから、
平成、令和になるにつれ、若者言葉が
あらゆるものを「可愛い」という言葉で
片づけられるように、表現するべき言葉が
極端に減ってきています。
洋服や食器類などは判りますが、
食べ物を見て「可愛い」しか言えないのは、
表現力の劣化と言えるかもしれません。
日本語に潜む言霊
古来、日本にいる神様の数は「八百万」もの
神様があらゆるところにおわすと言われてきました。
稲作に始まる農耕や漁などを通して、
自然と触れ合う事から、海や川の水、
山や岩、樹木などあらゆるものに、
神様がいらっしゃると感じ祭ってきました。
そして多くの神様の中にも、「言霊」という
人の目に触れませんが、深い意識の中にも
神様がおわすのです。
そして、「言霊」が持つ力というものが、
実生活に深く影響されていることを
何時しか私たち日本人は忘れてしまいました。
その理由は個々では申しませんが、
「言霊」の力を信じて行動すると
その通りになるとだけ言っておきたいと思います。
例えば、「斎藤一人」師が離されている
「天国言葉」の「有難う」や「嬉しい」「楽しい」等
これらの言葉を何かにつけて声に出すと
何時しか自分や自分の周りで良い事が起きるのです。
この逆に「地獄言葉」があります。
他人w妬む言葉や愚痴、文句、不平を毎回口にすれば、
その人の人相も険しくなり、良いことが起きにくくなる
と言われています。
この様に考えると、「言葉の持つ力=言霊」が2600年以上、
日本人の生活の中に溶け込んでいるにも拘らず、
知らずに過ごすことはもったいないことではないでしょうか?
万葉集は言霊の宝庫
約1300年ほど前に完成したと言われる「万葉集」。
日本語がこの時代から完成された言語であり、
有名無名を問わず、あらゆる階層から、
選ばれた珍しく最古の歌集です。
この歌集の中で、柿本人麻呂が「言霊」を意識して読んだとされる
「しき島の大和の国は言霊の幸(さき)はふ国ぞま幸くありこそ」
「言霊の八十(やそ)の衢衢(ちまた)に夕占(ゆうけ)問う
占正(うらまさ)に告(の)る妹はあひ寄らむ」
等の句に含まれる「霊(たま)」が幸せを味わうとか、
幸せを招き入れる事に通じていると感じます。
日本の中で生まれた神道の精神性が、
連綿と受け継がれて今日に至り、
日々の生活の中に、ひっそりとおわす「言霊」を
今一度見直し、せれぞれの生活の中で、
活かしてこそ、私たちの社会が穏やかで
平和な世間を作るのではないかと思うのです。
現代に生きる私たちも今一度、
言霊の幸わう国に生を受けた意義を
考える時ではなかろうか
思考家 明徳義道 記す
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