歳を重ねてから
歳を重ねてから名文、
名詩などを一所懸命に読むのは
とても意味のあることだと思っています。それは一言で表現するのは
なかなか難しいのですが、
六十代で分からなかったことが七十代で分かり、
七十代で分からなかったことが、
八十代、九十代で分かるということが
実際ありますからね。そこにある素晴らしさに開眼すると、
その奥にある神様の恵みというものが
はっきりと見えてくる。出典元
月刊致知 2021年3月号 P.18
「我が人生を導いてくれた古今の名作」
鈴木秀子氏との対談内での加賀乙彦氏の言葉
解説:この言葉から教わること
本の良い所は、繰り返し読み返し、
新たな発見や再度感動、
感銘を受ける事ではないでしょうか。
私も小学校6年生の頃に親から頂いた本を
50年以上たった今現在も大事に
保管しています。
20年前30年前から
所蔵している本もあります。
10代後半や20代の時に読んで、
著書から教えられたことは、
今現在、物事の判断の基本と
なっていることもあります。
また、それ以外に現代の知識人から
教えられることも多数あります。
10年前と10年後では違う理解に目覚める
現実生活や会社人の時に接した
多くの人からも実に多くのことを
教わりましたが、読書習慣を持っていると、
実生活で知り合う人より
はるかに多くの人々の考えに
触れることが出来ます。
そして本の良さは廃棄しない限り、
時に触れ、折に触れページを開くことで
忘れていたことを思い出させ、
初読時に味わった解釈と違う、
更に奥深い意味を行間から
発見することがあります。
10年前におかれていた自分の環境と
10年後の今の自分は同じような解釈をするとともに
時間の経過の中で重ねた経験から
更に視野が広がり、新しい事に気づかされるのです。
時の流れを無視する名文、名詩
書店の大小に限らずビジネス本の
コーナーに行くと古代中国の哲人たちの
言葉を元に書かれた書籍を多く見受けます。
また、詩歌のコーナーでは明治時代から
昭和までの詩人、俳人の書籍を
見つけることが出来ます。
さらに、個人名を冠した美術館に行けば、
その方の残された多くの著書に
触れることが出来ます。
時代は、機械の発達により、
多くのものごとの処理速度が上がり、
その事に人が振り回されているにも拘らず、
多くの人は問題解決に古の哲人の教えに
答えを見出そうとしています。
その事は間違ったことではないですし、
人の感情や行動は、基本的な部分において
大きな変化はしていないようです。
ただ、便利と思える道具に囲まれているので
人は進化していると勘違いされているのでは
と思ってしまいます。
時の流れに関係なく、現代の哲人、
歴史の彼方にいる哲人の言葉や
詩、俳句、名言が人の心に寄り添い、
生きる方法を照らしてくれることに
気付き感謝する気持ちを忘れず、
不定期にでも読み返されることを
お勧めいたします。
思考家 明徳義道 記す
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